夢は遠くないところに

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磨かれ玄関先




夕闇迫る大門通り・・大提灯に灯が入る。廓の玄関先には打ち水と盛り塩、店によっては婆さんが暖簾に身を隠し軍艦マーチは鳴らないが戦争開始(営業の始まり)である。女達はお色直しを整え(盃のあと夜着で床入りする儀礼に由来する) 調度部屋にスタンバイ。顔見世、張り見せなどと言った。全国の地域でその態様は様々だが、係りの小母さんに「あの娘・・」と告げ話が纏まるとご案内・・という筋書きであった。夫々が持つ公娼の鑑札を廊主が管理、保険所の定期検診をパスしなければ業務に就けない仕組みがあったようだ。

老舗の楼閣では客と女性の安全と安心を守るということでは徹底していた。午前0時を過ぎると引け過ぎ、2時を過ぎると大引けといって所謂お泊り客を待機する時間。残り福を求めて?否財布の中味と相談して登場しなければならない男たちも大勢居た。プライドを捨て手を引かれて部屋に向う階段を上がる頃には街の灯かりも消え、静まり返る丑三つ時であった。

お泊りの翌朝は三つ指をついて夕べ勤めてくれた一夜妻が朝の支度・・送り出す準備を整えて玄関先に待機する。ズボンにはアイロンが掛けられ、ハンケチは綺麗に洗ってある。革靴はピカピカに磨かれ玄関先に立つと彼女の手で頭髪に櫛が入いる。身は売り物でも心は売らない一夜の純情が顔を覗かせるモーニングサービスである。

     ー行ってらっしゃいませー  

ネオンに誘われた夕べの美女?には眉が無く、人違いか?と思わせるおばさんに変身していることも・・。何処で間違えたのか分からないが「どうでもいいや・・」と朝陽を手で遮りながら大門通りを背にした若者の朝帰り・・否出勤風景であった。全国津々浦々にお遊び処は点在し、学問に身が入らない学生も夫婦喧嘩で家を飛び出したお父さんも・・様々な人間模様を織り込んで楼閣の灯りは燈台のように男たちの夜を照らし続けた・・という昔話である。

水商売とは幅広い世界だが、昔はプロはプロとしての自覚を持って仕事に処した時代であったと思う。一般人はプロの真似などしなかったし、客の男たちも世間のルールやマナーを守り他人に迷惑など掛けなかった。靴にカメラを付ける写真マニアも居なかったが性犯罪も起きなかった。近頃お粗末な事件が起きるたび、現代社会の不可解な歪みを感じてならない私である。善玉菌と悪玉菌の話をしようと思ったのだが選別には時間が掛かりそうだから又の機会に・・・。



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